フリーペーパー編集デザイン〈drifter〉

案件:フリーペーパー デザイン制作
担当:企画・編集/写真撮影/グラフィックデザイン/文章
企画案件:オーロラキッチン/手仕事の教室〈暇 Itoma〉
URL:https://aurorakitchen.net


私自らが企画運営している長野市内にある店舗『オーロラキッチン』の、いわゆるコンセプトブックのような内容のフリーペーパーを不定期で発行しています。

自分のコンセプトばかりを載せていても、読者にとっては広がりが少なくてきっと飽きてしまうだろうと思ったのと、あまり独りよがりなのもよろしくないと思っていたので、長野市内にあるさまざまな店舗のオーナーさん方に声をかけて、広告掲載欄として記事を掲載させていただいています。

このフリーペーパーは、Instagramの紙バージョンと捉えてもらい、各オーナーさん方自ら文章を書いていただいています。今時はSNSに誰でも自分の文章を投稿することに慣れているし、そうしてもらったほうがそれぞれのお店の個性もそのまま紹介できるのがいいな、と考えてのことです。編集側が取材して書くのではなく、オーナー自らが自己紹介文を書くスタイルのフリーペーパー。

フリーペーパーというものは、10年くらい前まではもっと街中に溢れていたように思いますが、最近はやはりスマホの普及にともない、紙という物質よりもデータという見えているようで物質として存在しない情報へと変化してしまっています。

デザイン効果を期待して

私がなぜ『紙もの』を発行するのかというと、印刷された紙ものは物質として存在感があるからです。そこに物質として『ある』のであれば、その存在を消すためには「捨てる」ことです。もしその物質が少しでも「かっこいい」「すてき」「かわいい」「うつくしい」という人々の感情を引き起こしたのなら、それは「捨てずにちょっととっておきたい」という気持ちを生み出すことが可能です。それが『デザイン』するという効果なのです。

そんなデザイン効果を駆使して、せっかく誰かが発信した情報はすぐに捨てずに、目の届くどこかに静かにしまっておいてもらいたい。そしていつしかふとした時に、お部屋のどこかからひょっこり出てきて「ああ、これそういえばどこかでもらったなー」とふと目を落としてもらえたら本望です。

スマホの画面で指先一つで次々に流されて消されて目の届かないどこかに飛んでいってしまうより、ちょっとした『物質』として皆さまの片隅に存在させていただければとても嬉しく思います。そんなフリーペーパーです。

長野市内のどこかで手に取っていただければ幸いです。